元LIBERTY受講生の野口先生が教える英語勉強法
さて、前回は例文に柴犬を使って説明しました。僕は柴犬のことをshiba dogsと訳したのですが、ネイティブスピーカーによると最近は英語圏でもshiba inuで十分通じるそうです。
それでは本題に入りましょう。最近いただく質問のなかで多いのは、「授業中、藤川先生が、このVerbはV1とかV3とか当たり前のように言うけど、それはいちいち暗記しないといけないのか。どのようにVerbのパターンを見分けたらいいのか」というものです。たしかに最終的には考えずに分かるぐらいまで覚えてしまうのがいいのですが、実は、ある程度なら覚えずに対応可能です。この場合にもSyntaxの働きの一つ、word order(言葉の並び方のルール)をもとにして考えます。実際に授業で使った例文で見てみましょう。
例文
Each beetle starts out as an egg, hatches into a larva, becomes a pupa, and emerges as an adult.
訳 カブトムシは卵で始まり、孵化して幼虫、サナギとなり、成虫として出現する。
(※注:LIBERTYでは和訳を推奨していません。本記事が初学者を対象としているため、あくまでも内容の理解促進のために訳をつけてあります。英語は必ず英語として理解しましょう)
なかなか格式高い口調です。a larva(幼虫)、a pupa(サナギ)というのは専門的な単語なので普段はなかなか見かけることはないと思います。この文のVerbを指摘すると、次のようになります。
Each beetle starts out as an egg, hatches into a larva, becomes a pupa, and emerges as an adult.
メインのVerbは4つあるのですが、今日は「starts out」を見てみましょう。まず、outは強調しているだけなので文法的にはそこまで大事ではありません。それではstartのVerbのパターンは何になるでしょうか。V1かV3のどちらになるか考えてみてください。意外と難しいと思います。
実は、 startには、
The meeting starts at 3 p.m.
会議は午後3時に始まる。
のようなV1のパターンと、
I can’t start the car.
車を動かせない。
のようなV3のパターンのどちらもあります。
もっというと、そもそもだいたいのVerbはV1もV3もどちらのパターンもあることが多いです。それではどうやって見分けたらいいのかというと、ここでグラマーテーブルのSyntaxに戻ることになります。
みなさんのご存知の通りSyntaxには言葉の順番を決める働きがあります。
V1のパターン:S(主語)―V(Verb)
V3のパターン:S(主語)―V(Verb)―O(目的語)
V1
The meeting starts at 3 p.m.
S V1
V3
I can’t start the car.
S V3 O
ここで最初の例文を見ると、starts outの後ろにはas an egg(前置詞+名詞)が続きます。
*前置詞という用語が急に出てきてびっくりしますが、前置詞は名詞の前に置くから前置詞というだけです。
そのまんまですね。個人的にはもう少しひねってもよかったと思います(笑)。
前置詞+名詞は、グラマーテーブルによると形容詞(CかM)または副詞(M)にしかなりません。
前置詞+名詞 → 形容詞(CかM) または 副詞(M)
そうすると、S(主語)―V(Verb)―O(目的語)のパターンはぜったいにとれないことになります。O(目的語)には名詞しか入らないからです。そうすると、上の例文の(1)のパターンはV1にしかなれないことになります。
このように考えると、実はグラマーテーブルの授業で丸暗記する場面はそんなにないということに気づくはずです。V1とV3の考え方がわかると、ほかのVerbのパターンも少しずつわかるようになるはずです。
今日は本当にVerbのパターンの入門編です。まだまだ物足りないという方も多いと思います。次回のグラマーテーブルの授業ではぜひVerbのパターンを意識して先生の説明を聞いてみてくださいね。