概要

南洋理工大学（別名：ナンヤン工科大学）は、1991年にシンガポールに創立された国立大学です。もともとは、1955年に華語の教育機関として設立された南洋大学がシンガポール大学と合併してシンガポール国立大学となった翌年、シンガポール国立大学の一部であったエンジニアの分野をより深く教育・育成するための機関として新たに創設されたものが、最終的に国立教育研究所と合併して、「南洋理工大学」となりました。現在は、南洋理工大学はエンジニアだけでなく、あらゆる分野を網羅しており、若い大学ランキングで世界1位となるなど、アジアを代表する大学として世界からとても注目を浴びています。また、キャンパスが美しい大学のひとつとしても評判の大学です。

Times Higher Educationによると、2020年のシンガポール国内ランキングでは2位、世界ランキングでは48位となっています。

参考元：

https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2020/world-ranking#!/page/0/length/-1/sort_by/rank/sort_order/asc/cols/stats

南洋理工大学は、“A great global university founded on science and technology,

nurturing leaders through research and a broad education in diverse disciplines.”（科学とテクノロジーに基づいた優れた国際大学として、さまざまな分野における研究や幅広い教育を通してリーダーを育成すること）をミッションとして掲げています。南洋理工大学は、デジタル社会に合わせた革新的な教育プログラムを提供しており、MITなどの世界最高水準の大学やアリババなどの企業と提携することで3Dプリンター研究を行ったり、BMWなどの交通機関の企業と協同して電気や自家発電の乗り物の開発を行ってきました。また、AIやサスティナビリティなどの世界で現在問題になっている分野における積極的な研究を行うことで世界にインパクトを与えてきました。

大学院は、全部で200近くののプログラムを提供しており、あらゆる分野を網羅しています。特に工学、コンピューターサイエンス学、経営学、国際関係学などで高い評価を得ています。

どの学部も入学の際に求められるスコアの水準が非常に高く設定されており、大学入学の平均合格率は毎年約25％ほどです。

アジアを代表する国立大学のひとつとして、世界中から来る多くの学生に最先端の研究施設と教育環境を提供してきた南洋理工大学。

本稿ではこの大学に入学するための手順と必要条件、学費や奨学金の制度まで細かく紐解いて行きます。

【早見表】※学部の入試情報における早見表です。大学院入試は後述情報をご参照ください。

*大学院受験ではなく大学受験における情報です。難易度や費用の目安として参考にしてください。

参考元:

https://www.gotouniversity.com/university/nanyang-technological-university/gpa-requirement

https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/nanyang-technological-university-singapore

大学院で必要とされる英語力

 
南洋理工大学の学生は約27%が外国の出身であり、さまざまな国から優秀な学生が世界最高水準の高度な研究と教育を受けられる環境を求めてたくさん集まってきます。

共通言語は基本的に英語で統一されており、当然専門的な分野の話題もすべて英語で行われる為、日常的なやりとりに加えて専門性に特化した高度な語学力も求められます。

英語が母語でない学生には英語力のスコアの提示が求められており、主な大学院コースの英語力のボーダーラインは以下の通りです。

参考元:

https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/R-Programs/BeforeApplying-Research/Pages/GeneralAdmissionRequirements.aspx

https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/coursework/BeforeApplying/Pages/TOEFLRequirements.aspx

TOEFLはiBT、IELTSはAcademic moduleのスコアが対象になります。TOEFLを認めていない学部もあるので、注意しましょう。いずれも高いスコアが要求されますが、これはあくまで必要最低点数です。入学後も高い語学力がないと、専門性の非常に高い授業についていけませんので、できる限りボーダーラインギリギリを目指すのではなく、満点に近い点数を狙いましょう。

世界有数のアジアを代表する国立大学であり、最先端の教育環境で勉強や研究をすることができる大学として多くの国から非常に優秀な人材が集まってくる南洋理工大学に入るためにはかなり高い英語力を求められますが、入った後にその分思う存分自分の興味分野を深めることができるでしょう。

出願から合否発表までの流れ

オンラインで出願が可能

近年はオンライン環境も整い、多くの大学では出願から合否発表までインターネット上で全てを完結させてしまえることも多いです。南洋理工大学も例外なくオンラインでの出願窓口は完備されており、全ての手続きをインターネット上で終えることが可能です。

南洋理工大学の公式ウェブサイトに用意されている出願フォームにデータ化した必要書類をアップロードすることで出願は完了します。出願を考え始めたら、まずは公式ウェブサイトを確認して、出願の流れを確認するようにしましょう。

出願書類

一般的にコースで必要になる共通書類は次のとおりです。

Research Programs

・願書（オンラインの申請フォームを入力します）

・受験料

・パスポートサイズの写真（3ヶ月以内に撮影したもの）

・パスポート

・学位の証明書（日本語英語両方）

・テストスコア（TOEFLまたはIELTSスコア、GREまたはGMATスコア）

・推薦者のレポート2通

・その他関連書類（研究提案書、履歴書、研究出版物など。オプショナル）

Coursework Programs

・願書（オンラインの申請フォームを入力します）

・受験料

・パスポートサイズの写真（3ヶ月以内に撮影したもの）

・パスポート

・学位の証明書（日本語英語両方）

・英語力の証明書（TOEFLまたはIELTSスコア）

・履歴書（オプショナル）

・GMATスコア（オプショナル）

・専門性を証明する書類（オプショナル）

・その他関連書類（推薦書など。オプショナル）

注意

・各コースによって必要書類が異なりますので、必ずご自身で確認しましょう。

・必要となる書類は年度によって変わる場合や、出願が始まってから書類が追加になることもあります。

・必ず書類の作成前と出願前に、各コースのウェブサイトで募集要項を確認しましょう。

英語原文

Research Programmes

• Online application form
• application fee
• One recent passport-sized coloured photograph taken within the last 3 months
• Passport
• Bachelor/ Master’s Transcript(s) and Degree Scroll(s)
• TOEFL/IELTS results
• Documentary proof of present and previous employment with designation, dates of appointment and resignation indicated
• Graduate Management Admission Test (GMAT) results (if applicable)
• Professional qualifications/membership certificates, if any
• Any other relevant documents (e.g. supporting letter from your employer or referee)

Coursework Programmes

• Online application form
• application fee
• One recent passport-sized coloured photograph taken within the last 3 months
• Passport
• Bachelor/ Master’s Transcript(s) and Degree Certification
• Photocopy of valid TOEFL /IELTS/GRE/GMAT/GATE Scores
• Two Academic Referees’ Reports
• Other Supporting documents (e.g. Research proposal, Resume, Research publications)

参考元:

Research Programmes: https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/R-Programs/R-WhenYouApply/Pages/R-SendSupportingDocuments.aspx

Coursework Programmes: https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/coursework/HowDoIApply/Pages/SendSupportingDocuments.aspx

提出期限

Research Programs

• 出願書類の提出期限：10月1日〜翌1月31日頃

（College of Humanities, Arts, and Social Sciencesは11月15日まで）

• 合格発表の期間：2月1日〜5月31日頃

Coursework Programs

• 出願書類の提出期限：11月1日〜翌1月31日頃
• 合格発表の期間：5月31日〜6月30日頃

出願書類の提出期限はコースによって異なり、毎年変わる可能性があります。必ず書類の作成前と出願前に、各コースのウェブサイトで締切日を確認し、出願は早めの準備を心がけましょう。

特にシンガポールに在住していない場合はインターネット上での申請になる為、手続きの方法を間違えたり書類が不足していたりしても誰も直接指摘してくれません。しっかりと申請方法を確認して、慎重かつ早めに書類を揃えていくことを推奨します。

なお、南洋理工大学は志望者数が多く、世界中から多くの優秀な学生が応募するので、早めに、かつ、Admission Officeの目にとまるような内容の自己推薦文等を準備しましょう。

参考元:

Research Programmes: https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/R-Programs/BeforeApplying-Research/Pages/ApplicationPeriod.aspx

Coursework Programmes: https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/coursework/BeforeApplying/Pages/ApplicationPeriod.aspx

南洋理工大学の合格率

 
常に時代の変化に合わせて最先端の学びの場を提供し、さまざまな分野で世界に貢献してきた南洋理工大学の合格率は、大学院の場合コースやプログラムによって異なりますが、公表されていません。

優秀なだけでなく、現在問題となっている課題を解決できるリーダーシップのある人材を求めているので、それに繋がる経歴、経験等を強調する自己推薦文や推薦状を準備して出願することが南洋理工大学の合格への近道となります。

学費と奨学金制度

2年間の学費と生活費

南洋理工大学の学費は他の国よりも安価に設定されています。

南洋理工大学の1年間の学費は、大学院の場合、平均約 $13,843 (1$＝110円換算:約153万円)とされていて、シンガポールでの生活費(居住と生活費で年間で約200万円)も含めると2年間で約706万円程度は必要だと見積もっておきましょう。最先端の研究と教育を受けられる最高の環境で勉強することができる分、学費もかかりますが、将来のキャリア等を考えれば必要な投資と言えるでしょう。

なお、コースやプログラムによって学費は差がありますので、各コースのウェブサイトで確認するようにしましょう。

参考元:

https://collegedunia.com/singapore/college/766-nanyang-technological-university-singapore

奨学金

南洋理工大学は、研究志望の留学生向けの奨学金の制度があります。他にも入学後に研究の助手や大学生への指導などをすることにより援助してくれる場合もありますし、各研究分野で独自に奨学金を出してくれる団体もあるので、諦めずに調べましょう。

① NTU Research Scholarship

大学学部以上の学位で優秀な成績をおさめ、南洋理工大学の大学院の研究プログラム入学予定者向けの奨学金https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/scholarships/Pages/ResearchScholarship.aspx

②Nanyang President’s Graduate Scholarship

南洋理工大学の大学院博士号に入学予定の留学生で研究実績のある方向けの奨学金https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/scholarships/Pages/NPGS.aspx

③Singapore International Graduate Award (SINGA)

南洋理工大学の大学院博士号に入学予定の留学生で研究実績のある方向けの奨学金

https://www.a-star.edu.sg/Scholarships/for-graduate-studies/singapore-international-graduate-award-singa

参考元:

https://admissions.ntu.edu.sg/graduate/scholarships/Pages/default.aspx

その他、留学にあたっての奨学金制度や支給団体については以下のページをご参照ください。

民間組織や公的機関からの奨学金について: https://www.liberty-e.com/royal-road-of-english/8462/

大学負担の奨学金制度について: https://www.liberty-e.com/royal-road-of-english/8464/

著名な卒業生

常に最先端のテクノロジー等を駆使して革新的な教育・研究を提供し、世界の問題を解決できるリーダーシップのある人材育成をミッションに掲げている南洋理工大学。世界で活躍する方々を多く輩出しており、以下の方々のように、多くの著名人が南洋理工大学を卒業しています。

• Liang Wern Fook（音楽家 / 1999年中国研究博士号（PhD）取得）
• Artyukhov Dmitry（政治家 / 2003年 金融工学修士号（MS）取得）
• Agus Harimurti Yudhoyono（前インドネシア民主党リーダー / 2006年 戦略研究修士号（MS）取得）
• Intan Azura Mokhtar（政治家、ビジネスコンサルタント / 2008年 情報科学研究博士号（PhD）取得）
• Quek See Ling（画家、詩人 / 2017年中国語学修士号（MA）取得）

トリビア

世界の名門国立大学のひとつとして名高い南洋理工大学には、同校らしい伝統や取り組みがたくさんあります。

南洋理工大学にある緑の美しいユンナンガーデンは、大学の前身である南洋大学の時から大学にとって欠かせないものとなっています。2020年にリノベーションされましたが、南洋大学時代の趣を残しつつ、1000本以上の木が新たに植えられ、滝やテーマごとのミニガーデンだけでなく、Wi-Fiも完全装備されています。

https://www.flickr.com/photos/186936311@N08/49510706486/

もともと、ユンナンガーデンは、1950年代に、中国の伝統的な庭園やフランスのルネッサンス時代の秩序ある庭からインスピレーションを得てデザインされました。それに加え、今回のリノベーションで作られた新しい滝は、ナンヤン湖の水をきれいにする砂や泥なども敷かれたり、車椅子やベビーカーなどが通りやすい歩道が整備されたりなど、さまざまな取り組みがなされています。また、水の管理システムも最新技術を使って、雨水を浄化して再利用したり、環境的サステナビリティにも配慮しています。

https://www.flickr.com/photos/lowyisheng/5626156425/

南洋理工大学もユンナンガーデン同様に最新技術を駆使し、環境に配慮したキャンパスとなっています。入学したら是非ユンナンガーデンなどで勉強のリフレッシュをしてみてくださいね。

このように世界中から優秀な生徒が集まってきた歴史ある南洋理工大学には、さまざまな伝統や最新テクノロジーを使った取り組みがたくさんあります。入学したら、是非たくさんの最新技術に触れて刺激的で充実した学生生活を送ってください。

まとめ

シンガポールで最も有名で世界でも評価されている名門国立大学の1つとして、最先端の教育研究を提供し、多くの政治家や、シンガポールだけでなく世界で活躍する人たちを生み出してきた南洋理工大学。そのような最高の教育・研究を求めて、非常に優秀な学生が世界中から集まってきます。

入学するにはとても高い壁とはなりますが、世界中の優秀な人々と最新テクノロジーを利用した環境を提供する南洋理工大学で学ぶことができれば、非常に刺激的な学校生活を送ることができます。

将来は、世界の目下の問題を解決する世界的リーダーと一緒に勉強したり、もちろん自分が世界で活躍する研究者や事業家になるかもしれませんね。

是非ともLIBERTYで高度な英語力をつけ、諦めずに合格を目指してください。

南洋理工大学への留学を目指しているみなさんへ

 
南洋理工大学をはじめとする世界のトップ大学への進学は当然簡単ではありませんが、決して不可能ではありません

現在のあなたの目標の点数まで「あと一歩！」というところでしょうか？それとも「まだまだ遠い…」といったところでしょうか？

いずれにしましても正しい方法で英語を勉強していただければ、誰でも問題なく高い英語力を獲得して目標を達成することができます。

なお、本記事に記載されているTOEFLやIELTSの基準スコアを満たさなければ入学対象にもなりません。海外の大学、大学院への進学にはTOEFLやIELTSのスコアを獲得する他にもエッセイや履歴書の用意など出願の準備が必要です。

目標としている大学、大学院への合格を目指すのであれば、まず短期間で確実に必要なスコアの獲得を目指しましょう。

さてLIBERTYでは日本人が苦手とする最大の理由は日本の英語教育にある、と考えております。

日本の「試験対策としての英語教育」では、どれだけ優秀な型でもなかなか英語を使いこなせるようにはなりません。

LIBERTY独自の英語教授法である『グラマーテーブル』では…

①日本語と英語の間にあるギャップを解消し

②英語をマスターするために不可欠な英語の根幹部分を学び

③アカデミックな英語に必要な語彙力、理論構成、レトリック( 言い回し)を体感的に学ぶことができる

…ため、現在の英語力に関係なく短期間で高い英語力を習得することができます。

またLIBERTYでは「試験のための英語」ではなく、「根本的な英語力を高めるための英語」を学ぶことが重要であると考えております。

その理由は主に2つあります。

①TOEFLやIELTSなどの英語試験は単純な試験対策テクニックではスコアが伸びない

一般的なTOEFLやIELTSの対策学校では過去問の分析や試験テクニックでスコアをあげようとしています。

その結果として多少はスコアを上げられるかもしれませんが、それはTOEFL力やIELTS力が上ったというだけであり英語力が上ったわけではありません。

LIBERTYでは過去問対策も当然行いますが、まずは盤石な英語力を身につけ、その結果としてスコアを上げるという逆のアプローチを採っています。

②留学後に使える英語を学ばないと意味がない

試験テクニックを学んだところで、実用的な英語を習得せずに留学をしてしまうと授業についていくことができずに苦労してしまいます。海外の大学や大学院ではただ出席するだけではなく、積極的なディスカッションへの参加やエッセイの提出を求められます。留学してからも通用する英語力を身に付けなければ英語を学ぶ意味はありません。

目標とされている大学や大学院への進学にはまずは高い英語力の獲得が不可欠です。

LIBERTYでは実用的でアカデミックな英語を体感的にわかりやすく教えているため、必ずお役に立てると思います。

よろしければまずは一度無料のカウンセリングにお越しいただいてみてはいかがでしょうか？